中古マンションを購入するときは、金額・間取りといった物件本体のことだけでなく、災害リスクや周辺環境など様々な要素を調べておく必要がありますよね。
私が中古マンション購入を検討していた際に、「容積率オーバー」であることが判明し、唯一にして最大の懸念となりました。
「容積率オーバー」⇒既存不適格建築物となってしまうと資産価値へのマイナス影響があるのではないかと、心配になったのです。
しかし、詳しく調べてみると、その物件は既存不適格建築物ではないことが分かりました。
ここまでの体験談を本記事で紹介していきます!
中古マンション購入検討中で、容積率や建ぺい率のオーバーがネックとなっている方に、本記事を参考にしていただければ幸いです!
容積率オーバーが判明した経緯
当初 不動産屋から受け取っていた物件情報には容積率の記載がなかったため、気にしていませんでした。
購入検討を進めるにあたって書類に容積率の記載があったので、意味を調べてみました。
容積率とは、「建物の延べ面積(延床面積)の敷地面積に対する割合」をいい、延べ面積を敷地面積で割って算出します。
建築基準法では、都市計画区域および準都市計画区域内において、用途地域の種別や建築物の構造に応じて、容積率の限度を定めています(建築基準法第52条)。
容積率の規定は、建築物の規模と、その地域の道路などの公共施設のバランスを確保し、市街地の環境を維持することを目的としています。
SUUMO 住宅用語大辞典「容積率」
容積率には限度があるということが分かったので、、
行政ごとに設定されている制限内容を調べたところ、検討している中古物件は限度オーバーしていることが判明したのです…
[行政HP]明石市における各用途地域の形態制限内容
容積率オーバーのデメリット
容積率オーバーが判明して、不動産屋からは以下の説明がありました。
容積率オーバーであるため、既存不適格建築物であると考えられる。
その場合のデメリット:将来 建て替え時に同規模の物件にできない(理由:容積率の上限に合わせる、つまり容積率を下げる必要があるから)
同規模にできないとなると、建て替えは住民の理解が得られず大変困難になるはず。
2023年時点でマンション建て替えの事例数は少ないと理解しつつも、
数十年後マンションが老朽化したときに、出口戦略として建て替えの選択肢がない という状況が高リスクと感じたのです。老朽化して廃墟となった物件が売れずに維持費は払い続ける、という最悪ケースも想定されます。
既存不適格のデメリットは理解しつつも、それ以外の条件は完璧にクリアしていたので、大変迷いました…
【結論】既存不適格建築物に該当しなかった
後日 不動産屋に詳細確認してもらったところ、既存不適格建築物に該当していなかったことが判明しました(ヨカッタ!!)
その理由は、マンション内に公開空地(公園と通路)があり 容積率緩和の対象になっていたためです。
総合設計制度について
建築物の敷地に「公開空地」(一般公衆が自由に出入りできる空地)を設けることに対して、
特定行政庁の許可により容積率等を緩和するという制度である。
正式名称は「敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例」である(建築基準法第59
条の2)。以下に関連法令を示す。【建築基準法】
(令和5年)明石市総合設計制度許可取扱要領
(敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例)
第59条の2 その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以
上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、そ
の建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街
地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許
可の範囲内において、第52条第1項から第9項まで、第55条第1項、第56条又は第57条
の2第6項の規定による限度を超えるものとすることができる。
明石市の行政窓口でも確認したところ、(法令変更もあり得るので確実とは言えないが)申請をすれば同規模の建て替えは可能、とのコメントをいただきました。
容積率オーバー物件だからといって諦めなくてヨカッタ!!
【他にもある】容積率・建ぺい率の緩和パターン
今回「容積率オーバー」が問題となったので、緩和されるパターンを調査してみました。
不動産サービスSUUMOにて分かりやすくまとめられた記事があったので、紹介いたします!
記事によると、「特定道路から一定範囲内の土地」である場合や「駐車場や地下室」の場合が、容積率緩和の対象となるようですね。
物件調査する中で容積率や建ぺい率が地域の制限を超えていたとしても、緩和を受けているパターンもあるので、あきらめずに確認してみましょう!
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